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研究成果

がんの免疫細胞療法のマウスモデルを用いた検証についての論文が公開されました。

〜2014年8月15日のCancer Immunology Researchにオンライン掲載〜

2014年8月25日

がん免疫治療のメカニズムの解明
-がん免疫治療が機能するしくみを明らかにして、より効果的な治療法につなげる-


がんは、日本人の死因の第一位となっており、また、生涯でかかる可能性は男性で2人に1人、女性で3人に1人ともいわれているように、特別な病気ではありません。がんを早期に発見し、負担の少ない治療を行うことが、これからのがん治療に求められています。わたしたちの体では免疫システムが常に監視をしていて、異常な細胞を排除するように働いてがんになるのを防いでいますが、このしくみをすり抜けて増殖をくりかえすとがんになります。近年、免疫チェックポイント阻害剤などの登場でがん免疫治療が注目されています。体の中には、がんに対する免疫細胞が存在していますが、がんによってその働きが抑制されています。そのような免疫細胞を活性化することで、がん細胞の増殖を抑えたり、腫瘍を縮小させることが可能になりました。

免疫系の仕組みは複雑で、まだ明らかになっていないことも数多くあります。無数のがん細胞に対して、免疫細胞の数は限られています。圧倒的に不利な多勢に無勢の状況で、いかに免疫細胞はがんと戦っているのか、研究グループは、腫瘍モデルマウスを使ってその巧妙な仕組みを明らかにしました。細胞傷害性T細胞(CTL)は、がん細胞を1つずつすべて破壊するのではなく、一部のがん細胞を破壊すると同時に、周りの多数のがん細胞の細胞周期を停止させ、効率よく腫瘍の増殖を抑制することが明らかになりました。 本研究を進めることで、より効果のある治療法の開発につながると考えられます。

この研究は、東京大学、株式会社メディネットとの共同研究であり、かずさDNA研究所は遺伝子発現解析で貢献しました。 研究情報 がんの免疫細胞療法のマウスモデルを用いた検証についての論文が公開されました。

 

2014年8月20日 Cancer Immunology Research(英文要旨): http://cancerimmunolres.aacrjournals.org/content/early/2014/08/15/2326-6066.CIR-14-0098.abstract