第1回「メンデルの足跡と遺伝学の誕生」

講師:平野博之先生

東京大学 名誉教授

配信期間:2025年4月25日(金)13時〜 5月7日(水)13時

 現代の生命科学は、遺伝学の考え方や研究方法を抜きにしては、成り立ちません。それは、ほとんどの生命現象が遺伝子のはたらきとして、理解されるようになったからです。遺伝子の概念を提案し、遺伝の法則を発見したのがグレゴール・メンデルです。
 メンデルは、修道院でエンドウの交配実験から遺伝の法則を導き出しました。なぜ、生物学の研究が修道院で行われたのでしょうか?なぜ、エンドウが実験材料として選ばれたのでしょうか?本講座では、メンデルの生涯をたどりながら、これらの疑問に答えていこうと思います。そして、メンデルがどのようにして遺伝子と言う概念に到達し、遺伝の法則を発見したのか、その研究を紹介し、遺伝学の誕生のようすを解説したいと思います。
 メンデルの研究には、いくつかの特徴があり、その研究姿勢もわたしたちが見習うべきものがあります。これらについても、メンデルの具体的な研究を紹介しながら、触れていきたいと思います。

 参考図書:平野博之『物語 遺伝学の歴史』中公新書

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