テーマ 27突然変異により遺伝情報が変化します
同じ生物種の2つの個体のDNA配列はとてもよく似ていて、1,000ヌクレオチドあたり1ヶ所くらいが違っているにすぎません。DNA配列の違いは、突然変異によってもたらされます。突然変異にはひとつのヌクレオチドの変化から小さな繰り返し配列の数の変化、更には大規模な挿入や欠失があります。突然変異のあるものは進化の出発点となるような新しい変化を生みだします。またあるものは病気の原因となります。ヒトでは突然変異のほとんどは、タンパク質をコードしていないDNAの領域で起こります。ほとんどの突然変異は進化や健康に関して中立的であり、その効果は不利でも有利でもありません。
1920年に初めて、ショウジョウバエにX線を照射することでDNAの突然変異が誘発されました。イオン化放射線など他の種類の放射線もまた、突然変異を引き起こすことが分かりました。太陽光線の一部である紫外線の放射は隣り合う2つのチミンヌクレオチドを結合させるなど、特別な種類のDNA損傷を引き起こします。人工的に合成した、また自然界に存在する様々な化合物が変異原として知られています。更には、DNA複製自体が完璧なものでないため、これも新しい突然変異を生みだす元となっています。