テーマ 28ある種の変異は自然に修復されます

　1950年代までは多くの生物学者が遺伝子は安定した構成単位だと考えていました。DNAが損傷を受けると修復されるという概念は、微生物の奇妙な行動の原因を明らかにしようとしていた研究者たちから出てきました。紫外線によって見た目では殺菌された培養液が窓の近くに置いた後に回復することがあり、また奇妙なことに、変異体は変異原に長くさらされた後に現われます。

　細菌からヒトまでの生物の研究は、DNA複製におけるエラーや環境中の変異原による損傷を修復するための多くの酵素を見いだしました。これらの酵素が無ければ、DNA損傷は耐えられないレベルの変異の原因になるでしょう。修復酵素の欠損による疾患は寿命が短くなることから、生存におけるDNA修復の中心的な役割が説明できます。しかし、これらの異常が突然変異として存在することや変異無しでは進化ができないことから、まれに起こるDNA修復の失敗や複製におけるエラー修正の失敗もまた、生存するために重要です。