テーマ 35DNAは細胞外からの刺激に応答します
増殖や発生には、細胞がお互いにコミュニケーションをとることと体の別の部分からの信号に反応することが必要になります。特に、様々な分泌腺から放出されるホルモンは特定の細胞の増殖を促すために体中を巡ります。特定のホルモンによって刺激される細胞は細胞膜に埋め込まれた特異的な受容体を持っています。ホルモンが受容体に結合することにより、細胞を介した増殖シグナルを中継して伝える細胞内情報伝達と呼ばれる一連の分子変換が始まります。
初めに、受容体は細胞膜の外から膜表面の内側へ信号を伝達し“メッセンジャー”となるタンパク質を活性化します。これらのメッセンジャーは、しばしばリン酸基の付加を含む化学反応の連鎖の一部であり、化学反応を開始させます。この化学反応の連鎖は細胞質を通って核の中に届くシグナルです。シグナル伝達の最終ステップでは、DNA結合タンパク質が転写調節領域に結合してDNAの複製や遺伝子の転写を開始させます。