テーマ 19DNA分子はねじれたはしごのような形をしています
 
				 
				 
				 ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックは DNAの構造を解きました。ロザリンド・フランクリンやモーリス・ウィルキンスなどの他の科学者も、この発見に貢献しました。
				ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックは DNAの構造を解きました。ロザリンド・フランクリンやモーリス・ウィルキンスなどの他の科学者も、この発見に貢献しました。 
フランシス・クリック(1916-2004)
 
				フランシス・ハリー・コンプトン・クリックは、イギリス、ノーサンプトン近くの小さい町で生まれました。子どもの頃、クリックは探求心旺盛で、両親が彼に買い与えた子どもの百科事典の全てを読破しました。彼は科学を扱った章に最も興味を持ちました。この興味から“台所”実験を始め、最終的には真剣な研究に至り、更にロンドン大学を物理学の2番優等学位で卒業しました。
クリックが授業で学んだ物理学はすでに時代遅れのものでした。それで彼は、水の粘度に関する卒業研究を行いながら、量子力学の基礎を自分で学びました。第二次世界大戦により、彼の卒業研究は中断されました。戦争中、彼は海軍のために、磁気機雷と音響機雷の研究と設計を主に行いました。
戦争が終わった後も、クリックは海軍で働き続けていましたが、彼は残りの人生を兵器の設計に使いたくありませんでした。問題は、彼自身が何をしたいのかはっきりしないことでした。最終的に、彼は生命科学を始めようと決意しました。彼は生命科学でなされた新しい発見について、読み、考え、話すことが好きでした。クリックは“人は本当に興味のあることについて雑談する”と気がつきました。興味を追求するために、クリックは、いくつかの研究室や科学者を訪ねました。最終的に、彼は、ストレンジウェイズ研究室で2年間、働くことにしました。そこで、ひよこの繊維芽細胞に与える磁気の影響について研究しました。
1947年、この生物学の経験を積んで、クリックは、ケンブリッジのキャヴェンディッシュ研究所のマックス・ペルツ の研究室に入りました。ローレンス・ブラッグ卿が、X線結晶学を利用してタンパク質構造を研究する、研究室の新ユニットを指揮していました。マックス・ペルーツはヘモグロビンの構造を研究しており、クリックの学位論文の研究課題はタンパク質のX線回折についてのものでした。
1951年に、フランシス・クリックはケンブリッジを訪れていたジェームズ・ワトソンと出会いました。クリックの方が12歳年上でしたが、彼とワトソンは“即座に意気投合”しました。ワトソンはキャヴェンディッシュでの滞在を終え、利用可能なX線データと模型製作を使って、2人はDNAの構造を解きました。この有名な論文は 1953年4月1日、Nature誌に発表されました。論文の著者の順番はコイン投げで決められました。DNAの構造を解いたことで、フランシス・クリック、ジェームズ・ワトソンそしてモーリス・ウィルキンスは共に 1962年のノーベル医学生理学賞を受賞しました。モーリス・ウィルキンスとロザリンド・フランクリンはX線結晶回折データの一部を提供しました。
“二重らせん”モデルが発表された後も、DNAがどのようにタンパク質合成を指令しているのかという疑問が、まだ残っていました。クリックとジェームズ・ワトソンを含む研究者仲間の数人が、非公式の“RNAネクタイクラブ”を結成しました。目的は、“RNAの構造の謎を解くことと、タンパク質合成の方法を理解すること”でした。クラブでは“セントラル・ドグマ”に注目しました。 セントラル・ドグマとは、DNAは遺伝情報の倉庫であり、RNAは核から、タンパク質が作られる細胞質に情報を運ぶ仲介である、という考えのことです。RNAの情報コードについて議論が重ねられ、1961年、フランシス・クリックとシドニー・ブレナーにより、遺伝物質を読むのに、3文字コードが使われているという遺伝学的証拠が出されました
クリックの職歴のほとんどは、ケンブリッジの医学研究審議会[MRC]で働いていました。1976年、クリックはラ・ホヤのソーク研究所に移り、そこで、彼は、神経発生生物学の研究に集中しました。1988年、彼は自分の経験を、熱き探究の日々:二重らせん発見者の記録に書きました。クリックは、鋭く知的で、さりげなくイギリス人のユーモアのセンスを持つと言われていました。
 
					 
					DNAが最初に結晶化されたのは、1970年代の後半でした。思い出してください。1953年のX線のデータはDNA繊維からのものでした。つまり、ワトソン・クリックのDNAモデルが本当に”証明”されたのは、1982 年、B型のDNAが結晶化されて、X線パターンが解明された後でした。
 
					ヒトのひとつの細胞のDNAを伸ばすと、6フィート[約1.8 m]近くの長さになり、そこには60億塩基対以上が含まれています。それだけのもの全てがひとつの細胞の核の中にどのように収まっているのでしょうか?
 細胞核にある重要な分子はDNAとタンパク質です
細胞核にある重要な分子はDNAとタンパク質です ひとつの遺伝子はひとつのタンパク質を作ります
ひとつの遺伝子はひとつのタンパク質を作ります 遺伝子はDNAからできています
遺伝子はDNAからできています 細菌やウイルスも DNA を持っています
細菌やウイルスも DNA を持っています DNA分子はねじれたはしごのような形をしています
DNA分子はねじれたはしごのような形をしています DNAのはしごは全体をコピーするための鋳型となります
DNAのはしごは全体をコピーするための鋳型となります RNAはDNAとタンパク質の間を仲介します
RNAはDNAとタンパク質の間を仲介します DNAの単語は3文字の組合せで決まります
DNAの単語は3文字の組合せで決まります 遺伝子はDNA上に散在します
遺伝子はDNA上に散在します RNAは編集されることがあります
RNAは編集されることがあります 一部のウイルスはRNAに遺伝情報を持っています
一部のウイルスはRNAに遺伝情報を持っています RNAは最初の遺伝分子でした
RNAは最初の遺伝分子でした 突然変異により遺伝情報が変化します
突然変異により遺伝情報が変化します ある種の変異は自然に修復されます
ある種の変異は自然に修復されます