第2回「バイオテクノロジーで変わる私たちの衣食住」
講師:佐藤和広先生
岡山大学名誉教授
摂南大学農学部教授
かずさDNA研究所特別客員研究員
配信期間:2024年12月13日(金)〜 2024年12月23日(月)
農業を将来にわたって環境への負荷を増大させずに発展させることは、極めて重要な地球規模の課題です。高収量、優れた品質、干ばつ、塩害、その他のストレスに対する耐性、様々な病気に対する耐性を備えた植物の新品種を開発するための最良の方法は何でしょうか?持続可能な発展に貢献する研究成果を、効率よく実用化するにはどうすればよいでしょうか?本講座では、植物育種の歴史と方法、遺伝子組換え作物やゲノム編集作物に関する世界的な動向を解説しながら、これらの疑問に何らかの答えを示すことを試みます。また、欧州連合におけるバイオテクノロジー技術の規制、社会的、政治的判断についても触れながら、現在の日本と世界の置かれた複雑な状況を確認します。現在、日本では遺伝子組換え作物はほとんど栽培されていませんが、食卓に並ぶ製品の多くに遺伝子組換え作物が使われています。このような中で、現在の植物育種と遺伝子科学に関する技術の利用を、農業、社会、科学技術に関連する広い背景で考えたいと思います。