テーマ 9特別な染色体が性を決定します

特別な染色体が性を決定します。

 人は長い間、ひとつの種のオスとメスに見られる違いについて考えを巡らせてきました。もし性をひとつの形質もしくは形質のセットとして考えるなら、性は遺伝することになります。1905年、これまでより緻密な減数分裂の研究により、性決定に関わる染色体の働きが明らかになりました。

 科学者たちは減数分裂の時に細胞赤道に並ぶ相同染色体のペアの中に風変わりなペアがあることに気がつきました。一方の染色体(X)は他方(Y)よりもずっと大きいものでした。ヒトではこのXとY染色体の不釣り合いなペアは男性の細胞にだけ見られます。X染色体同士が合わさったペアは女性の細胞にだけ見られます。すなわち、XX染色体は女性であることを、XY染色体は男性であることを決めています。女性は1本のX染色体を含む卵だけを作り、男性は1本のXまたは1本のY染色体を含む精子を作ります。