主な研究成果

1. 免疫・アレルギー疾患克服のための先端ゲノム解析基盤整備とその実用化研究

  • 水力学的濾過システム技術、射出成形技術および親水化処理技術を用いて、血球分離用の微少流路合成樹脂チップを作製した。また、かずさDNA研究所が保有するヒトタンパク質遺伝子クローンHaloTag技術、光感受性コーティング剤を用いた光パターニング技術を組み合わせ、蛍光検出によるタンパク質アレイを作製した。副産物として、蒸着装置および濾過チップ・濾過装置を試作した。
  • 遺伝子探索拠点化に向けて、先天性免疫不全症の一種、高IgE症候群の原因遺伝子探索を行い、ターゲット領域濃縮技術を確立し、シーケンス時間を著しく短縮可能にした。

血球分離チップの試作

血球分離チップの試作

親水化コーティング蒸着装置

親水化コーティング蒸着装置

特許出願
(財)かずさDNA研究所、早稲田大学、(株)TI

タンパク質アレイ

タンパク質アレイ

2. 免疫関連難治疾患の治療効果判定・予後予測のためのバイオマーカーの探索開発研究

難治性アレルギー疾患や肺癌などの臨床試験の研究計画書を作成し、倫理審査を終え、臨床試験を開始した。癌に関しては少数例の患者サンプルの遺伝子発現解析により、3種のバイオマーカーの同定が行われ、特許申請に至った(特願2009-200911)。

3. 次世代ヒト疾患モデルマウス作製のための技術開発とその利用

  • NOD/SCIDマウスからES細胞を取得する方法を確立した(特願2010-986568)。
  • ヒト造血因子・サイトカイン遺伝子導入マウスの戻し交配を行い、タンパク質レベルでヒト型遺伝子発現を確認した。