研究テーマ3 次世代ヒト疾患モデルマウス作製のための技術開発とその利用

サブテーマ1:遺伝子操作による、ヒトにより近い免疫環境を再現する免疫不全マウスの作製

サブテーマ1:遺伝子操作による、ヒトにより近い免疫環境を再現する免疫不全マウスの作製

遺伝子操作技術を用いて免疫機能を働かなくしたマウスに、ヒト造血幹細胞を移植し「第二世代造血免疫系ヒト化マウス」を開発しました。このマウスでは、移植されたヒト造血幹細胞がヒト免疫細胞に再生、増殖し、ヒトの造血・免疫系をマウス体内にある程度再現することができました。しかし、まだその再構成系はヒトの造血・免疫系を完全に再現するには至っていません。そこで、このサブテーマでは、HLAや各種のヒト造血因子、サイトカイン遺伝子などを導入することで、ヒト免疫細胞とヒト免疫環境を合わせ持ったより臨床的に応用性の高い第三世代免疫・造血系ヒト化マウスを開発します。そのために既存技術を活用することはもちろん、かずさDNA研究所とクロモリサーチが保有する完全合成型ヒト人工染色体技術(HAC)を活用することにしました。この手法の成熟化は将来の安全性の高い遺伝子治療にも結びつく可能性があり、このサブテーマでは人工染色体技術の汎用化に向けた研究開発にも取り組みます。

サブテーマ2: 第三世代造血免疫系ヒト化マウス確立と免疫造血系機能の解析と臨床応用研究

サブテーマ2:免疫関連炎症・アレルギー、自己免疫疾患の治療効果予測のためのバイオマーカーの探索開発研究

このサブテーマでは、作製されたヒト化マウスを用いて、さらに実際の各種疾患モデルを作製します。第三世代の造血免疫系ヒト化マウスは、ヒトで行う臨床研究に対する倫理的制約を負うことなく、ヒト免疫系の機能やヒト幹細胞から様々な免疫細胞への発達に必要な要因を明らかにすることを可能性にすることが期待されます。また、新しい治療方法の開発や創薬活動を、より安全、効率的に進められるように一変させる可能性があります。この実現を目指して、新しい医学研究・創薬研究の基礎となるモデルマウス系を確立します。