先行プロジェクトで蓄積した技術的ノウハウを基礎として、閉鎖系で血液と接触する部分をディスポーザブルとした安価で小型のプロトタイプのオンチップセルソーターや極微量の血液サンプルで臨床検査ができるチップなどを作製してきました。
本テーマでは、こうした先行研究の成果を更に実用化に近づけるために、早稲田大学の有する合成樹脂の表面親水化処理技術を活用することにより、微量の全血から血球を分離したり、血漿中の特定のバイオマーカーの量を測るための全血前処理チップを作製します。その結果として、実用レベルの免疫・アレルギー疾患の診断のための安価で高感度の装置を開発します。
この装置は、タンパク質としてのバイオマーカー探索作業や遺伝子レベルでのバイオマーカー探索に連携していきます。
このサブテーマでは、かずさ地区の疾患の遺伝的な素因を網羅的に探索するための拠点化(免疫・アレルギー疾患の原因遺伝子探索センター創出)を目指します。
まずは、遺伝要因を持つ免疫・アレルギー疾患に焦点を合わせた解析を行います。次世代高速DNAシーケンサーをこの目的に用いる現実的な課題は、コストと倫理的な問題にありますので、疾患と関連が予測される1000個以下の遺伝子のみを全部のゲノムから濃縮してくる行程を効率化することをまず実現します。この技術をルーチンとして行えるようになれば、この拠点から年間にいくつもの新しい疾患原因遺伝子が見いだされることが期待されます。
免疫不全症から解析を始め、他の免疫・アレルギー疾患の遺伝的原因解明のための検体を受け入れていく体制を確立します。
NPO法人オーファンネットジャパンと連携を組み、我が国で様々な理由から見過ごされがちな希少疾患の遺伝子検査を、迅速・正確・経済的に実施し、患者や医療関係者のニーズに答えることを目指します。
日本で初めてオープンソース型次世代シーケンサーを導入し、日本の機器メーカー参画の下、日本の優位性を出せる形で事業化を目指します。