やあ! ブリテンのC0t曲線解析はDNAの複雑度を比較できます。 [再会合したDNAの分画] [DNA濃度と時間の積の対数(C0t)] この解析における便利な数値はC0t1/2です。この値は50%のDNAが再会合したときの値を示しています。例えば、大腸菌のC0t1/2は9です。 バクテリオファージT4のC0t1/2のおおよその値はいくつになるでしょうか? 9 いいえ、それは大腸菌のC0t1/2の値です。 1 いいえ、それは正しくありません。 10 いいえ、それは大腸菌のC0t1/2に近いです。 10-1 正解です。 T4DNAのC0t1/2の値は、3x10-1です。 C0t1/2値はDNA濃度と時間の積の対数になります。C0t1/2の値が大きいということは反応が遅いことを示しています。大腸菌のDNAが完全に再会合するまでの時間は、バクテリオファージT4よりも長くかかります。 C0t1/2値は、ゲノム中に存在するDNAの量、相補的配列の濃度にも関係しています。より大きなゲノムはより多くのDNAを持っていますが、大腸菌のC0t1/2と比較することで、ゲノムの“複雑度”を計算することが可能です。 [C0t1/2 (ある生物のゲノムDNA)/ C0t1/2 (大腸菌のDNA)] = [ゲノムの複雑度/4.2 x106 bp] 複雑度は、ゲノム中に存在する異なるDNA配列の全長の合計で、通常は塩基対を単位として表されます。大腸菌ゲノムはユニークな配列のみを持っています。ですから、異なるDNA配列の全長は4.2x106塩基対となります。バクテリオファージT4の複雑度はいくつになるでしょうか? 4.2x106塩基対。 いいえ、これは大腸菌のゲノムの大きさです。 4.2x105塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 1.4x106塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 1.4x105塩基対。 正解です。 バクテリオファージT4のC0t1/2は3x10-1、大腸菌のC0t1/2は9です。バクテリオファージT4のゲノムの複雑度は、1.4x105塩基対になります。 ここで、真核生物のDNAをみてみましょう。 再会合曲線の領域が3つあるために、それぞれの領域に独自のC0t1/2値があります。速い、中間、遅い構成成分のC0t1/2の値はそれぞれいくつになるでしょうか。 0.004、3、1000。 正解です。 10、10、10。 いいえ、C0t1/2値は全て同じではありません。 0.004、10、1000。 いいえ、値のひとつが正しくありません。 1、10、1000。 いいえ、値の2つが正しくありません。 速い、中間、遅い構成成分のC0t1/2の値はそれぞれ、0.004、3、1000です。 この曲線中の速い構成成分の占める割合は全DNA配列中の25%、中間の構成成分は30%、遅い構成成分は45%です。私たちがこの構成要素を単離して、それぞれの別々に再会合反応を行った場合、それぞれのC0t1/2の値はいくつになるでしょうか? 0.004、3、1000。 いいえ、それは元のC0t値です。 0.25、0.3、0.45。 いいえ、それはそれぞれのDNA成分の割合です。 1x10-3、0.9、450。 正解です。 構成要素を単離して、それぞれ別々に再会合反応を行った場合、速い、中間、遅い構成成分のCot1/2の値は、それぞれ1x10-3、0.9、450になります。 真核生物の、この遅い構成成分の複雑度はいくつになりますか? 1.47x108塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 4.7x108塩基対。 正解です。 5.95x108塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 6.62x108塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 ここでは、45%の真核生物DNAのC0t1/2値を比較しているので、大腸菌のC0t1/2も45%にする必要があります。すると答えは、450/(9x0.45)=遅い構成成分の複雑度/4.2x106=4.7x108となります。 [遅い構成成分の複雑度] 遅い構成成分の複雑度は、全ゲノム中のユニークな配列の長さに相当します。遅い構成成分の割合はDNAの45%でしたから、全ゲノムの長さはいくつになるか分かりますか? 4.7x108塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 1.47x108塩基対。 いいえ、それは正しくありません。 1.0x109塩基対。 正解です。 ゲノムの45%が4.7x108塩基対であれば、100%のゲノムは1.0x109塩基対になります。