やあ! ハーセプチンとタキソールは乳がん治療に使用されている薬剤です。一部の女性は、どちらか一方で効果があり、一部の女性は、両方の薬剤を同時に服用することで効果が増幅されます。 研究者たちは、DNAアレイを用いて、異なる薬剤投与において、がん細胞と正常細胞でどのような遺伝子が発現しているのかをテストすることができます。 この例で試してみましょう。A~Fという6つのcDNAサンプルを使ってDNAアレイを作製します。 それから、4つの実験を行います。以下の薬で処置をした女性患者から乳がん細胞と正常細胞を提供してもらいます1.) ハーセプチン 2.) タキソール 3.) ハーセプチンとタキソール 4.) どちらも投与無し。 [実験1ハーセプチン][実験2タキソール] [実験3ハーセプチンとタキソール][実験4投与無し] mRNAをそれぞれの細胞から抽出し、それらを蛍光標識してDNAアレイでハイブリダイゼーションを行います。 [正常mRNA][腫瘍mRNA] コンピューターは“色”を数値に変換できます。赤=0、黄=50、緑=100というように。 全ての実験で遺伝子Aが約50%の数値である黄色を示したのであれば、これは何を意味するのでしょうか? [正常][腫瘍] 遺伝子Aは、どの条件下でもどの細胞においても発現していない。 (いいえ、遺伝子Aはこれらの細胞で発現しています。) 遺伝子Aは、対象サンプルです。遺伝子Aは、どの細胞においても常に一定のレベルで発現しています。 (正解です。) 実験は、失敗に終わりました。色は緑または赤であるべきです。 (いいえ、もし正常細胞とがん細胞からのmRNAが全く等しく遺伝子Aにハイブリダイズしていたのであれば、黄色が見られるはずです。) 上記の答え以外。 (いいえ、正解はあります。) 正常細胞とがん細胞は共に、遺伝子Aに結合するmRNAを持っています。緑の蛍光色素と赤の蛍光色素を等量で混ぜると、黄色の蛍光になります。遺伝子Aは、全ての種類の細胞において同じように発現するコントロール(対照)です。 一般的には、遺伝子Bの発現パターンは何を意味するのでしょう? 遺伝子Bは、ハーセプチン投与後の正常細胞で高く発現する。 (いいえ、低い数値(赤)は、がん細胞からのmRNAとの結合が多かったことを示しています。) 遺伝子Bは、投与に応答していない。 (いいえ、低い数値(赤)は応答がなかったわけではないことを示しています。) 遺伝子Bは、ハーセプチン投与後のがん細胞で高く発現する。 (正解です。) 遺伝子Bは、正常細胞で発現していない。 (いいえ、遺伝子Bは正常細胞で発現しています。) 遺伝子Bは、ハーセプチン投与後のがん細胞で、より多く発現しています。なぜなら、Bはより多くの赤で標識されたmRNAと結合したためです。 あなたは、得られた結果からグラフを作成し、遺伝子BとDが同じようなプロファイルを持つことに気づきます。 他にもそのようなプロファイルを示すサンプルはありますか? 遺伝子BとDのみが同じようなプロファイルを示しています。 (いいえ、遺伝子BとDのみではありません。) 遺伝子Cと遺伝子Fも、似たようなプロファイルを示しています。 (正解です。) 遺伝子Eは、BやDとも同じようなプロファイルを示しています。 (いいえ、遺伝子Eは、BやDとは異なるプロファイルを示しています。 遺伝子CとFは、全ての投与条件において同じように正常細胞とがん細胞のmRNAにハイブリダイズしています。遺伝子Cと Fの発現は、BとDの発現のように“クラスターされて(まとめられて)”います。