テーマ 41DNAはヒトゲノムを理解するための始まりにすぎません

遺伝子のノックアウト実験

やあ! 利根川進らが、フロックされたNMDA受容体遺伝子を持ったマウスを作った時に、彼らは、他の細胞でその遺伝子が破壊されないようにターゲティングベクターを使いました。 これはNMDA遺伝子を単純化したものです。エクソンは赤い箱で示されています。実際にNMDA遺伝子は22個のエクソンを持っています。 Creが存在する時に、NMDA遺伝子を欠損させるために使うことができるベクターは、下のどれでしょうか? (いいえ、Cre組換え酵素が働くためには2つのloxPサイトが必要です。) (いいえ、ノックアウトするためには、2つのloxPサイトがNMDA遺伝子に隣接する必要があります。) (いいえ、loxPサイトのひとつはNMDA遺伝子のエクソン中にあります。これではCA1細胞だけでなく、他の細胞の NMDA遺伝子も破壊してしまいます。 (正解です。) 2つのloxPサイトの間のエクソンがCreにより取り除かれ、NMDA受容体は機能を失います。 loxPサイトは遺伝子のイントロンの中にあるので、Creが存在しない時にはloxPサイトはその受容体に影響しません。 利根川らはこのベクターをマウスのES細胞にエレクトロポレーションし、ネオマイシンを加えました。どのようなタイプの細胞が分離されたでしょうか? そのベクターの相同組換えを伴ったES細胞だけ。 (はい、しかしこれは唯一の答えでありません。) そのベクターが無作為に組込まれたES細胞だけ。 (はい、しかし、これは唯一の答えではありません。) そのベクターの組換え(相同組換えと無作為)を伴ったES細胞。 (正解です。) 組換えベクター無しのES細胞 (いいえ、ベクター無しのES細胞は死滅するでしょう。それらはネオマイシン抵抗性ではありません。) ネオマイシンはベクターを組込んでいない細胞を殺しましたが、ベクターを相同的にあるいは無作為に組込んだES細胞を区別することはできませんでした。 相同組換えを持ったES細胞を選び出すために、ES細胞集団の一部から得たDNAを制限酵素で切断しました。野生型のNMDA遺伝子では、17 kb断片が生じます。 相同組換え体では、その酵素はloxPサイトを切断するので、15 kbの断片を生じます。 [組換え体] 断片をゲル上で電気泳動し、第3エクソンンに結合する放射性のプローブを加えました。 ES細胞でベクターが相同的に組換わったレーンをクリックしなさい。 (正解です。) (いいえ、これは野生型の断片です。) 相同的に組換わったベクターを持ったES細胞は2つの制限酵素による断片を示します。 これらのES細胞は純系の黒色のマウス由来ですが、純系の白色の毛のマウス(アルビノ)由来の胚盤胞の中に注入されました。その胚盤胞はキメラマウスに成長しました。このキメラマウスはどんな種類の生殖細胞を作れるでしょうか? [B = 黒色アレル] [a = アルビノアレル] [+ = 野生型] [flox = フロックされたNMDA遺伝子] (正解です。) (いいえ、更に他のタイプがあります。) (いいえ、不正解です。) (いいえ、更に他のタイプがあります。) そのキメラマウスは3種類の生殖細胞を作ります。 胚盤胞由来の細胞はaアレルを持った生殖細胞だけを作ることができます。ES細胞由来の細胞はアレルBを持った生殖細胞と、更にアレルBとフロックされた遺伝子を持った生殖細胞を作ることができます。 フロックされた遺伝子のヘテロマウスを得るために、キメラマウスを繁殖させた後に、ヘテロマウスをCreとフロックされた遺伝子を持つ別のヘテロマウスと交配しました。この交配で、子はどのくらいの割合で、フロックされた遺伝子に関してホモで、Creに関してヘテロでしょうか?(ヒント:パネット・スクエアを使いましょう。) 1/2 (いいえ、違います。 1/4 (いいえ、違います。 1/6 (いいえ、違います。 1/8 (正解です。) パネット・スクエアは、子の2/16つまり1/8はフロックされた遺伝子に関してホモで、Creに関してヘテロであることを表します。 子の1/8は条件的なヌル変異でした。研究者はそれらを同定するためにPCRを使用しなければなりませんでした。どのプライマーのセットでCre遺伝子を同定することができるでしょうか?プライマーは黄色の箱によって示されています。 (いいえ、別の鎖に結合するプライマーが必要です。) (正解です。) (いいえ、これはCre遺伝子を確認できないでしょう。) PCRは2つのプライマーの間のDNAを増幅します。プライマーのひとつがCre遺伝子そのものに結合するので、もしCre遺伝子が無ければ、PCRはどんなDNAも増幅することができないでしょう