テーマ 17遺伝子はDNAからできています
1920年代に、感染性のある細菌の株を殺菌した後に無害な細菌の株と混ぜると、無害な細菌が感染性を持つようになることが実験で示されました。明らかに死んだ細菌から無害な細菌を感染性に“形質転換”する何らかの化学物質がもたらされたのです。いわゆるこの“形質転換因子”は遺伝子であることが明らかになりました。
ロックフェラー大学のオズワルド・アベリー が率いる化学者のチームは1940年代に徹底的にその実験を追跡しました。彼らは“形質転換因子”の純粋な抽出物はタンパク質分解酵素には影響を受けないけれども、DNA分解酵素で破壊されることを発見しました。このことから、形質転換因子はDNAであること、更にそこから遺伝子はDNAからできていることも明らかになりました。でも、多くの科学者たちは遺伝物質がタンパク質ではなくDNAであることの明白な証明をなかなか受け入れませんでした。