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マーシャル・ニーレンバーグ、ハー・ゴビンド・コラナ、そしてロバート・ホーリーは1968年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞しました。ニーレンバーグとコラナは遺伝暗号を解読し、ホーリーはtRNA分子の配列を決め、構造を推定しました。
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- ハー・ゴビンド・コラナ(1922-2011)
マーシャル・ウォーレン・ニーレンバーグ(1927-2010)
マーシャル・ニーレンバーグはニューヨーク市に生まれました。12歳の時、家族はフロリダ州のオーランドに移りました。子供の頃の野鳥観察への興味から、彼は生物科学へと進みました。ニーレンバーグはフロリダ湿地の多様な生態を探索することができました。第二次世界大戦の訓練キャンプが近くにあり、彼は、そこにいた博物館の学芸員や生化学者といった専門家たちの教えを受けるといった恩恵に預かることもできました。
1948年、ニーレンバーグは、科学の学士号を得てフロリダ大学を卒業しました。彼は生態学とトビケラの分類で動物学の修士課程を終えるためにフロリダ大学にとどまりました。
ニーレンバーグはミシガン大学に行き、1957年に学位を取りました。彼は、生命そのものにより強く興味を持つようになり、本質を知りたいと望むようになりました。彼の博士号のための研究は腫瘍細胞での糖の運搬についてのもので、それが生命の化学への興味を反映していました。
博士の学位を取った後、ニーレンバーグはアメリカがん学会の2年間の博士研究員奨学金を得て、米国国立衛生研究所(NIH)に行きました。1960年、彼はNIHの代謝酵素部門の生化学研究員の職に就きました。 ニーレンバーグはすでに、どのようにしてRNAの暗号を解読するかの研究を始めていました。
1961年、ニーレンバーグと J.H. マーセイは“米国科学アカデミー紀要[英文の論文誌]”に、画期的な論文を発表しました。彼らはウラシルだけを使って合成したメッセンジャーRNAが、タンパク質合成を指令することができることを示したのです。ポリUのmRNAはポリフェニルアラニンからなるタンパク質を作り出しました。それが遺伝暗号を解くための最初の1ピース[断片]でした。
次の年から、ニーレンバーグのグループは合成した3つのヌクレオチドにアミノ酸を合わせて、遺伝暗号を全て解読しました。彼らは、遺伝暗号は余剰があり、いくつかのアミノ酸は複数のコドンによって暗号化されていて、いくつかのコドンはmRNAのメッセージの中で“句読点のしるし”になっていることを見出しました。ニーレンバーグのグループは、少しの例外を除いて、遺伝暗号は地球上の全ての生き物で普遍的であることも示しました。ニーレンバーグは1968年のノーベル生理学・医学賞を、ハー・ゴビンド・コラナとロバート・ホーリーと共に受賞しました。コラナも遺伝暗号を解明する仕事をし、ホーリーは最初にtRNAの配列を決定して構造を確定しました。
後に、ニーレンバーグは、ショウジョウバエの神経系の発生の研究に重点を置くようになりました。彼はNIHの国立心肺血液研究所の研究室を運営していました。彼はいつも研究に対して情熱的で、発見の喜びと自然が設計したものの不思議を感じていました。
オリゴヌクレオチドPCRプライマーを合成するために使用される現代的な方法は、まだ特定のDNA配列を作るコラナの方法の原理に基づいています。
なぜ遺伝暗号は余剰なのでしょう?なぜ、なにもコードしていない“余分な”コドンは存在しないのでしょうか?